あたりまえだけど、とても大切なこと

ロン・クラークという人をご存知でしょうか?
人にモノを教えるという仕事に就いていることから、
教育系の本を読むことが多いのですが、
この人が書いた本は、アドラー系の心理学の本と
であったときよりも目からうろこでした。

この人、2001年にディズニー主催の「全米最優秀教師賞」
を受賞しており、去年「あたりまえだけど、とても大切なこと」
という本を出版しています。
本のタイトルの通り、本当に「あたりまえ」のことを
ルールとして書き綴っただけの本ですが、
(もちろん、変わったルールも中にはありますが)
そこには教師として教えてきた氏の体験や、経験、
それらを通して培ったモノの見方の紹介や氏の考えなどが
たくさん載せられており、面白く読ませてもらいました。

どのようなことがルールとして掲載されているか、
簡単に紹介すると、
ルール2.相手の目を見て話そう。
ルール7.口をふさいでくしゃみをしよう。
ルール8.何かをもらったら三秒以内にお礼をいおう。
ルール21.先生に挨拶をしよう。
ルール30.だれかが何かを落としたら拾ってあげよう。
ルール44.信じるもののために立ち上がろう。
などです。

マクドナルドのマニュアルに、
「一つ注文をもらうたびに『ありがとう』ということ。」
というものがあります。ありがとうといわれれば、
気が緩み、次の注文をもらいやすいからだそうです。

ルール7の「何かをもらったら三秒以内にお礼をいおう」
という部分は、本当はもう少し長く、
「人に何かをもらったときは、必ず「ありがとう」といおう。
君たちが私から何かを受け取り、三秒以内に「ありがとう」
といわないときには、わたしはその何かを取り返す。
感謝の気持ちを見せないことに言い訳は許されない。」
と続き、それが注文をもらうことを目的としていないことは
お分かりいただけるかと思います。

このような本が売れるのは、結局そうしたことを
小さいころにしつけにくくなってきていることが原因として
あるからかもしれません。
今の子どもたちは集団のなかで行動する機会が減り、
近所づきあいもなくなり、人と接する機会が少なく、
逆に、人と接する際に心理的な障壁が大きい場合が
あるようです。

塾を始めたときに、気になったことをルールというか、
常に生徒たちに癖づけるようにさせたことがあります。
まず、起立・気をつけ・礼の仕方。
礼をするときには授業の始めであれば、
「おねがいします。」授業の終了時であれば、
「ありがとうございました。」と、声に出して
お辞儀をするように伝えています。
お辞儀をしたら、もう一度姿勢を正すようにさせています。

この「おねがいします。」「ありがとうございました。」
と挨拶する方法は形式的(つまり言っているだけ)
になってしまっている部分があります。

そのほかには、塾に入ってきたときに、
くつを並べるということ。
お菓子をもらうときは、黙って持っていかないということ。
人にプレゼントをあげるときは「何が欲しい」と聞かないこと。
ペンや鉛筆が落ちたときは、「拾って」といわないこと。
(一部まだ伝えていないクラスや内容がありますが)

どれも、基本は「自分以外の人の立場に立つ」ことであり、
私自身が苦手としていることでもあります。
こういう話をすると、生徒たちは目からうろこのような
反応をするときがあります。詳しく状況を説明しながら、
「こういう状況自体を経験しにくい環境なのだろうな」
と気の毒に思うときもあります。

こうした心と動作を鍛えていくと、
勉強に対する姿勢も徐々に変わり始めます。
こういったことを今年1年は深化させていきたいと思います。
全体の成績がもっと上がってくるものだと思います。

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