私立の学校を選ぶ際に

確認しておいた方が良いことの一つに、

宗教の有無があるかと思います。

どちらが良いということではなく、

ある学校では宗教の授業と宗教的な行事があります。

入信しないとならないわけではなく、

学校の宗教の授業を受けて、

宗教的な行事にも参加することが求められます。

さて、この学校は宗教のある学校です。

高野山真言宗の流れを汲み、

仏教系新宗教に分類される辯天宗を信仰しているため、

「般若心経」を基本とした仏教の教えを学ぶことになります。

募集は中学入試で入学する「六年制コース」のうち、

「S特別選抜クラス」1クラス、

「AB総合選抜クラス」2クラスの計120名で、

令和3年度の合格者数は102名でした。

定員に達していませんが、

大阪府の私立中学校も約半数が

定員割れの状態です。

高校入試は、「英数コース」2クラス、

「普通コース」1クラスの計80名です。

「普通コース」の募集は男子のみで

全員硬式野球部に所属することになります。

高校野球で有名な智辯学園の野球部です。

今年も部員の士気が高く、甲子園出場が

期待できると理事長の藤田先生が仰っていました。

野球部が甲子園に出場した場合、

この奈良の山奥から生徒全員が

甲子園に応援に行かなければいけません。

これは授業の一部になっており

出欠の確認をされるため、

指定校狙いで大学受験を考えている場合

欠席の上限に達しないようにするため

出席せざるを得ません。

かわいそうです。

大学への合格率は約90％

合格実績は、卒業生159名のうち

大阪大　1名

名古屋大　1名

神戸大　2名

大阪市立大　2名

大阪府立大　6名

大阪教育大　2名

奈良教大　3名

和歌山大　5名　など

国公立大学計　57名となっていますが、

この学校は驚くべきことに

現役と浪人の区別なく、

過年度生を含んだ数字になっているため

現役での合格者の詳細はわかりません。

また、ここの学校の先生は露骨に

国公立大学を受験するように誘導します。

KGCには河内長野校にも新金岡校にも

この学校へ通う生徒がいますが、

毎年、「受けたい学校を受けさせてもらえいない」

という相談があります。

保護者の方も強く言えない方は

無理矢理国公立を受けるように

懇談会で丸め込まれてしまうようです。

かなり気の毒です。

国公立を志望する生徒のうち、

大阪市立大学、大阪府立大学よりも

下のレベルの大学になると、

滑り止めで私立を受けても、

近大以下の大学しか合格できません。

ですから、大阪桐蔭などをはじめ

浪人生を含んだ実績でやたらアピールしている学校は

浪人することを強く勧めてきます。

私の知り合いの保護者の方も

やたら浪人することを勧められたと言っていました。

新しく医学部進学支援プロジェクト

「S.M.C.」を立ち上げ、

医学部医学科への進学を希望する生徒を

輩出したいそうです。

このプロジェクトの1期生5名のうち、

和歌山医科大学医学部1名、

福岡大学医学部1名の実績が出たそうです。

上記の卒業生159名という数字が示しているように、

10年前の智辯学園をご存じの方は

このところの智辯学園に勢いがなくなっているのをお感じだと思います。

10年ほど前の智辯学園は生徒数が今の2倍以上、

それに伴って国公立大学の合格実績も出していました。

中・高校長の手塚先生もそのことに触れ、

10年前の智辯学園の勢いを取り戻すべく、

奈良・大阪・和歌山にそれぞれターゲット校を定め、

そこの実績を上回るべく模試の成績を追っていきたい

というお話をされていました。

それぞれのターゲット校は、

具体的な名前は言ってなかったのですが、

奈良学園、清教学園、開智高校あたりのようです。

また、勢いのある智辯和歌山も意識されているようです。

和歌山医科大を受けに行った生徒から、

「智辯和歌山の生徒が山ほど受験にきていた」

という話を聞いて、S.M.C.を立ち上げ

医学部医学科への進学に力を入れていくようです。

この学校には食堂がありません。

これは、学園の教育理念の一つにある

三位一体の理念のもとに、生徒・保護者・教師が

一体となった教育の実践をすすめるものであるからです。

つまり、保護者の方は、基本的には

毎日お弁当を作ってあげてくださいね、ということです。

学習支援ツールとして、フォーサイト、

クラッシー、マイクロソフトチームス、

スタディサプリなどを採用しています。

この学校に通っている生徒を多く指導しています。

また数年前のKGCに通っていた生徒のお父様が

この学校の先生をしており、

学校の行事中に事故で亡くなりました。

その事故を目の前で見ていた生徒たちが

今年の高校3年生です。

教師陣の情熱が実を結び、

再び勢いのある智辯学園になってもらいたいと思います。

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