女子校としてがんばっています。樟蔭中学校・高等学校

私が鶴橋の予備校で働いていた時、
樟蔭高校の生徒と、
樟蔭東高校の生徒が通ってくれていました。
名前がちょっとしか違わないのに
生徒の質は全然違いました。

その後、樟蔭東はアナンという名前に代わり、
中学校は無くなり、
高校は経営難から、学校の敷地の一部を
物流の倉庫に貸し出して収入を得ようと
検討中という話もあります。

令和3年度入試を行った
大阪府の私立女子中学校は14校でしたが、
来年度の募集は、すでに城星学園が
募集停止と校名変更を発表しており、
また大阪信愛学院は2018年に小学校を共学化し、
その小学生が中学生になる2024年を目途に
共学化すると伺っていましたが、
中学校の共学化を前倒しで行うようです。

令和3年度入試を行った
大阪府の私立中学校60校のうち、
募集定員を満たしているのは27校です。
大阪府において、私立中学校に通う子供の割合は
1割弱ですが、やはり子供の人口減少が
影響しているものと思われます。

このような状況下において、
樟蔭中学校・高等学校は
女子校として頑張っている学校です。

「美の追求と体現」の実践を理念に、
「美意識」を育む教育に力を入れています。
その取り組みの一つが、
「花育樟蔭フラワープロジェクト」というもので、
生徒たちで種まきから花づくりの工程を体験し、
育てた花を地域の店舗や公共施設に寄贈しています。

最近、虫が嫌い、触れないという子供が多く、
KGCでも授業中にカナブンが入ってきただけで
大騒ぎになることがあるのですが、
土に触れ、生物を観察し、我々人間も
大自然の営みの一部であることを感じることは
貴重であると思います。

また、自分の好きを見つける
「My Time　総合的な探求」の時間や、
生徒たちが自ら立ち上げ活動している
「CSAボランティアサークル」など
独自の取り組みがされています。

中学校の募集は3コースです。
・国際教養コース(国公立・難関私大を目指すコース)
・総合進学コース(樟蔭伝統の女子教育コース)
・身体表現コース(豊かな感性と人間性を養うコース)

受験は、算数か英語のいずれかと国語になります。
(国際教養コースは2科型または4科型を選択することができます)

高校の募集は6コースです。
中学からの3コースに加えて

・看護系進学コース（医療分野での進学を希望するコース）
・児童教育コース（保育士・幼稚園小学校教諭を目指すコース）
・フードスタディコース（食のスペシャリストを目指すコース）

卒業生の進路決定率は97％
外部4年生大学　40％
大阪樟蔭女子大　39％
短期大学　9％
専門学校　12％

今春の進学実績は
大阪大　1名
大阪府立大　1名
和歌山大　1名
大分大　1名
同志社大　1名
関西学院大　1名
などです。

指定校枠として
関西大　8名
立命館大　4名
甲南大　5名
近畿大　12名
龍谷大　5名
同志社女子大　4名
京都女子大　4名
神戸女学院大　6名
などがあります。
(関西の三女子大からこれだけの指定校枠があるのは
創立100年を超える伝統校である所以ですね。)

看護進学コースの生徒は、
関西医療大、京都看護大、大阪医科大、
森ノ宮医療大、千里金蘭大などへ進学しています。

同程度の偏差値の高校と比較すると
指定校推薦はかなり充実しています。
また、校風が良いことも、この学校を
強くお勧めできるポイントになります。

たとえば「いじめ」の問題についてですが、
中学、高校生のいじめ問題が発生する学校は
基本的に偏差値が低くなれば低くなるほど多くなります。
例えば、「城星学園　いじめ」で
Googleで検索してみてください。

今までたくさんの学校に、一生懸命指導してきた
生徒たちを送り込み、また送り込んだ後も
その学校での生活を、通塾を通して支えてきた
私の立場からの、あくまでも個人的見解ですが、
いじめの問題は学校の先生たちが作り出す
雰囲気によるものが多いと思っています。
そういう意味では、この学校は私から見ると
雰囲気が良い学校です。

見学会に参加された保護者の方からも
「上品なそう生徒が多かった。」
という話を聞いたことがあります。
といっても随分昔ですが。

中学校では学校独自の取り組みで感受性を育て、
高校では将来就きたい職業についての勉強を
早い段階から始めたい生徒にお勧めできる学校です。