官尊民卑な高校の進路指導

7月に入り、各高校でも三者面談が始まっています。
塾の懇談でその様子をお聞きすると、
昨年からの流れで今年も中堅私立大学への
合格が厳しくなるといった話が出ているようです。

なぜ今年は特にその話題が多く出ているかと申しますと、
私立大学の合格者数を定員と同数にするように
というお達しが文部科学省からきているからです。

ただし、このような改革は
数年前から既に始まっており、
昨年も合格者数を絞った結果、
浪人生が増えています。

その浪人生が今年再受験することになり、
なおかつ合格者数も減らすので、
合格が難しくなるといった考え方につながるようです。

 

以下にAERA dotのサイトから表を拝借しています。

 

下の表は西日本の主要大学の志願者数・合格者数・倍率を表しています。



 

サイトはこちら↓
https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2018041800049_2

関関同立(関西学院・関西・同志社・立命)の合格者数を見ると、
2017年に比べ2018年は4校合計でなんと8603名減っています。
近畿大学を加えると、約1万名が不合格となっています。

以上のようなことから、学校の懇談会で
「今年は私立大学の合格が厳しくなるから、地方の国公立を目指しなさい。」とか、
「とにかく地方でも国公立に行くと安くすむし、ブランド力があるから国公立にしなさい。」と
繰り返し言われているご家庭も多いようです。

このような場合は、地方国公立の利点と不利な点を挙げて、
それが保護者様とお子様のニーズに合うのかどうかを考えなければなりません。
放射線技師(病院でレントゲンなどをとる仕事)を例に挙げると、
大阪では大阪大学と大阪物療大学しか専門の学科がありません。
この2つの大学は大きくレベルが開いておりますので、
間のレベルの大学を選びたければ
徳島大学や岡山大学、金沢大学などを受けざるをえません。
ですので、どうしても放射線技師ということであれば、
地方国公立でも積極的に狙っていくべきです。

ただし、経済学部や法学部、理工学部などメジャーな
学部となると話が変わります。
その辺りの学部は近畿圏でも多数ありますので、
レベルを考えるとわざわざ地方の国公立を受けるメリットがなくなります。

勿論学費は安くなりますが、下宿代や帰省費もかかりますし、
地方の就職は大阪よりも少ないので、
就職活動で大阪に戻ろうと思うと更に費用がかさみます。
また、地方国公立よりも近畿の有名私大の方が
近畿圏での就職にはるかに強いのも事実です。

したがって、KGCでは国公立を強く推薦するといったことは、
理由や根拠がない限り行いません。
かと言って、早々に入試科目を3科目に絞って
私大一本にするのも、思ったほど学力が伸びない傾向にあるので
お勧めしません。

将来なりたい職業や、やりたいことを考えて、
それに合った大学を選んで精査していき、
結果的に就職に一番の近道となる学校を選ぶことが
必要だと考えております。

お子さまの進路でお悩みの場合は、お気軽にご相談下さい。

 

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