入試応援という業務(日大危険タックル問題、監督・コーチ立件せず問題で感じたこと①)

中学入試、大学入試センターまであと65日

私立高校入試まであと86日となりました。

 

中学受験をする小学生から
大学受験をする高校生に至るまで、
合否は当日発揮できる学力だけではなく、
当日のコンディションも左右することは
お分かりいただけるかと思います。

当日の体調、精神状態、身につけた学力
すべて当日にぶつけて合格を勝ち取るのです。

そして、その当日の精神状態を
少しでも良い状態にするようにと
多くの中学受験塾の中には
「入試応援」なる業務が存在します。

入試当日、受験校の前で
大きなのぼりをはためかせて
円陣組んでやってるアレです。

入試応援の業務は多岐にわたります。

前日までに、当日校門前で配布する資料、
お守り、チョコレートや飴を準備します。

当日は、同じ塾の生徒をかき集めて
シュプレヒコールをあげます。
「合格するぞ~! えいえいおー。」
「勝つぞ!勝つぞ!勝つぞ! おー。」
などです。

その後、保護者と講師でアーチを作り、
拍手をしながら受験校へ送り出したりします。

最終チェック、最後の授業として
早朝の寒空の中、プリントを配布して
円陣を組み授業をしている塾もあります。

学校側が
「寒いからはやく教室に入ってください。」
「間もなく点呼が始まります。速やかに教室に入ってください。」
とアナウンスしても、多くの受験生を抱えている塾は、
わりと平気です。

とある学校は、それらの塾のために
早朝イベント用の会場として
食堂や体育館を貸したりもしています。

ヤレヤレ。という感じですね。

これはとある、大手中学受験塾の
10年程前の受験直線指導の内容です。
そこに勤める教室長から聞きました。

なぜ、受験日当日に受験生を校門前に集めて
シュプレヒコールをあげたりするのか?

「保護者に、『最後まで熱心に面倒を見てくれる
 生徒思いの講師があつまった塾』という印象を
 与えたい。」

「塾の規模を周囲の保護者に見せつけ、
 私たちの塾に所属すると、当日も生徒たちは
 安心して受験できるという印象を与えたい。
 また、あのようにすることで他塾の生徒を
 威圧することができます。」

確かに、受験校には大手進学塾が大挙しています。
偏差値が高い学校ほど多くの講師を動員しています。
西大和学園での入試応援などは、
受験する生徒よりも塾の先生の方が多いやろ!
とツッコミを入れたくなります。

とある学校では、校門前でされることで
ご近所の車の往来で問題になり、
校門前での直前指導を
やめるようにお願いしたのですが、
聞き入れてもらえず、しかたなしに
学校の敷地内でしてもらうことになったと言ってました。

「小学生は精神的にもろいところも多く、
 少しのことで動揺します。
 他塾の生徒が少しでも受験日当日に動揺してくれたら
 私たちの塾生が有利になります。
 そのためにできることは何でもしてあげたいのです。」

「落ち着いて集中して試験開始を迎えることができれば、
 普段の過去問指導の時のように、
 時間内に問題を解くことができます。
 問題を解き終わったら、見直しをするとき、
 えんぴつで文字を書いているふりをしながら
 机を打ち、音を鳴らして周囲の受験生の気を散らしなさい。」
と指導する先生もいます。
集中できないように物音を立てるのです。

「休憩時間には、同じ塾生ばかりで集まり、
 『今年の問題、かんたんやなー。』
 と言い合い、周囲の受験生をビビらせてやりなさい。」
と言うこともあるそうです。

バカバカしい事ですが、
入試当日、朝早くから受験生のために
多くの先生が集まてくれて、
勇気づけてくれる「特別感」
が通わせている保護者の方々の支持を得ていることも確かです。

私はこうした大手進学塾の入試応援が好きではありません。
もちろん、当日は応援に駆けつけます。

もしかしたらガチガチに緊張しているかもしれない。
電車が何らの問題で、時間通りに着かないかもしれない。
何かあった時にも、生徒に安心して
受験に向かってもらいたいと思います。

駆けつけて、生徒と会うことができれば、
「あんなこと(他塾の円陣を組む入試応援)をしなくても
 普通に合格できるからな。軽くテスト受けてこい。」
と言います。よく心得ている生徒たちは、
「ヨユー。」
と返事をしてくれます。

今年は、お母さんの付き添いもなく、
一人で受けに行った生徒もいました。
https://g-circle.jp/20180505/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93/2323

数年前に奈良学園を受験した生徒がいました。
唇を紫色にしてがちがちに震えて緊張していました。
1日目、2日目と不合格が続き、
不安でいっぱいだったでしょう。
精一杯励ましました。
くだらないことをしゃべって笑わせようとしました。
わりと無理して、
「ほな、頑張ってくるわ。」
と右手をあげて会場へ進む小さな後姿を
私は、ただ、ただ黙って手を振って見送ることしかできません。

どうか、彼が得意な問題ばかり出題されますように!
どうか、途中でお腹が痛くなったりしませんように!

などと考えていました。
私たち講師が、受験生に最後にしてあげられることを
精一杯してあげたい。
と、思っていたのですが、
それと同時に、他塾の生徒の邪魔になってないかな?
他塾の生徒を威圧したりしていないかな?
などと、いつも気にしています。

多くの塾の先生方も、
このように、最後の最後に自分たちが
何をしてあげられるか?
と考えて、お守りを作ったり、
応援に駆けつけたりしてくれています。

保護者の方々も、今までさんざん、
健康に気づかい、インフルエンザを恐れ、
ヒヤヒヤしながら受験日当日を迎えます。

入試応援を支持する側の立場の人たちは
どうか、そうした保護者の不安な気持ちや
塾講師の真心につけ込むような「入試応援」
になっていないかどうかを考えていただきたいと思います。

学校側の迷惑になっていないか?
他塾の生徒に迷惑をかけていないか?
そうした視点を受験するする
自分の生徒たちにも教えていただきたいです。

この話、日大危険タックル問題で
立件見送りとなった件と合わせて
また続きを書きたいと思います。

 

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