移転、共学化バブル後の東大谷は元気がない

東大谷高校の説明会に行ってきました。
ここはもともと阿倍野にあった女子高で、
2013年に泉ヶ丘に移転する際に共学化しました。

私立高校の運営、生徒募集において
バブルを起こすことができる要素として、
・移転バブル
・新校舎バブル
・共学化バブル
というものがありますが、
2013年の東大谷は、
共学化バブルと移転バブルの両方を引き起こし、
大量の生徒を抱え込んでしまいました。
それも今となっては昔の話で、
今年度の入学者数は1学年228名となっています。

浄土真宗の流れをくむ
情操教育に力を入れており、
先生方も気品、品格を大切に教育されています。

特進、国際、進学の3つのコースがありますが、
今年の入試では国際コースの戻り率が
芳しくなく定員を割っています。

特進コースは国公立大学、
難関私大を目指すコースで
週に40時間授業や
予備校講師による演習講座があります。

国公立を受験する生徒に限っては、
大阪大谷大学の内部推薦枠を
確保できますので、
どうしても浪人はしたくないといった生徒には
保険のような安心材料にはなるかもしれません。

国際コースは、3ケ月または
1年の留学が必須となるコースで、
英語の授業が週に最大12時間あります。

高校のカリキュラムでは珍しい
第2外国語の授業があります。
語学を磨き国際的に活躍したいと考えている生徒向きです。
目指す進路は外大などが中心となりますが、
指定校推薦枠も利用できます。
ただし、上記のようにカリキュラムが文系教科に集中していますので、
私大文系以外の受験は厳しくなります。

進学コースは、部活との両立をはかるコースです。
高大接続の進学枠、内部推薦枠、
指定校推薦枠を利用する生徒が約7割、
受験をする生徒が3割です。
3割の生徒をサポートするためのクラスがあります。

薬剤師を目指す生徒のための
9年一貫高大連携プログラム、
教員を目指す生徒のための
7年一貫高大連携プログラムがあります。

高校生のうちから大学の授業が受けられたり、
興味のある分野について
早いうちから学べることはメリットだと思いますが、
大阪大谷大学では、
薬学部での6年間の学びで国家試験に合格すること、
教育学部での4年間の学びで
教員採用試験をパスすることが難しいために
早期教育を行なっているのだろうか?
という見方もできると思います。

大学進学については、
壊滅的に悪いと言えるでしょう。

今年の進学先です。

大阪府立大 3名  岡山大 1名
静岡大学 1名  大教大 4名
和歌山大 1名  愛媛大 1名
広島市立大 1名

同志社大 3名
関西学院大 2名
立命館大 2名
関大 16名

注意しなければいけないのは
合格者数ではなく、進学者数です。
このあたりの数字を使うあたりは、
真面目な学校なのだなぁと感じます。

この学校の特進コースは併願の基準が
五ツ木の偏差値で59くらいとなってます。
これくらいの偏差値の生徒であれば、
大学は最低でも関関同立に行かせたいところです。
しかし、今年の関西大学の合格者は26名、
そのうち、10名が指定校推薦です。
進学者が16名なので、6名が一般入試で
合格した生徒ということになります。

26名合格で16名進学。
その16名のうち、10名が指定校なので、
差し引きすると10名分の合格を
残りの6名が出していることになります。

他校の学校説明会に比べると
あまりにも大人しい説明会で、
学校の取り組みも実績も大人しいので、
これからの生徒募集はなかなか厳しいのではないかと感じました。

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