昨日の続き　とある高校の大学入試実績水増し問題

昨日も少し書きましたが、
この学校は2007年に大学入試の
合格者を水増しした問題でマスコミに大々的に
報道された学校で有名ですね。
フジテレビの朝の情報番組でも
取り上げられていました。
この時は生徒一人で73名の合格実績を
作り出す手法が紹介されていました。
協力した生徒に５万円を支払ったと聞いた
小倉という司会者が「安いね」とコメントしました。

募集を停止した中等教育学校も、
学校側が、受験費用を負担して
合格できそうな学部学科を片っ端から
受験させるということを学校を挙げて取り組みました。
関関同立の合格者を218名とアピールしていたのですが、
そのうち178人は学校が受験料を負担して
たった7人の生徒が作りだした実績でした。

この学校以外でも、
大阪国際大和田、大阪桐蔭、
梅花、履正社、浪速
が同じようなことをしていました。

大阪桐蔭や西大和は
「京都大学の医学部」という実績を出すために
京都大学の医学部保健学科を
大量に受験させて無理やり進学させていました。
そのため、「やりたい勉強じゃない」と、
中退する学生が多数でました。
さんざん、京大を受けるように煽っておいて、
進学した先で生徒が辞めてしまうかもしれないと
心配する先生はいなかったのでしょうか。

また、大阪のとある上場している大手学習塾も
2010年に東京大学合格者43人、
京都大学合格者33人としていましたが、
実際は東大0人、京大11人でした。
この塾は1990年代後半にも
中学受験で同じような手法で
JAROから改善指導を受けています。

こうしたことは、どこの学校や
塾でも全国津々浦々、程度の差こそあれ
行われているのだろうと思います。
ただ、こういうことをする学校や塾は
同じようなにおいがするなぁと感じます。

以前、この学校の教頭先生をされていた方が
KGCで理科を教えていたことがあります。
その先生も、
「賢い生徒が1人いたら、
関関同立の実績は100人出せる。」
とおっしゃってました。

この学校は、この報道があってから
しばらくは、合格実績ではなく、
進学実績を説明会などで記載していましたが、
今は元に戻っています。

私を含めKGCのスタッフは、
学校の説明会に伺った時に、
合格実績を実数で把握しているかどうか？
つまり、関大100人という実績が出ていたら、
実際に関西大学に進学した生徒が何人いるか？
を知りたいと思っています。
前述のとおり、学校によっては必要以上に
数をカウントして数で魅力を表現しようとする学校があります。
しかし、進路指導部の立場からすれば、
どれほどの成績を取っている生徒が、
どの大学に合格できるか？というデータを取りたいと思います。
例えば、文系数学で受験する生徒と
社会科で受験する生徒ではどちらが合格しやすいか？
単純に模試の結果だけでなく、
自分の学校の数学の指導はどれほど入試に役立つか？
など得られる情報が山のようにあるからです。
そういうことに積極的に取り組む学校は
結果として希望する大学へ進学させる力を
持てることになると思うのです。
ですから、データを取りたい学校が
賢い生徒に受験料を払って、生徒が納得した上で
受けに行ってもらうこと自体は私は悪いことだとは思いません。

しかし、大阪桐蔭や西大和のように
何も知識のない生徒に煽ったり、
桃山学院や智辯学園のように
私立大学へ行きたいのに、頑なに国公立の
勉強を強いるような指導はおかしいと思います。

また、数を持って見せかけの魅力で
塾の先生や保護者を振り向かせよう、
興味をひかせようとする方法は浅はかで愚かです。
まともな学校であれば、実数を聞けば教えてくださいます。
ですから、説明会の資料に入っていない場合は
説明会終了後に質問させていただいています。

今回、進学実績などいくつか質問させていただいたのですが、
「担当ではない。」と何人か先生にたらいまわしんされ、
答えられる先生がいらっしゃらず、最終的には
「パンフレットを見ましたか？」と
非常に上から目線で言われました。
パンフレットも説明会の資料も見たのに
書いていなかったら質問させていただいたのですが、
「詳細は集計していない。
パンフレットに記載の表現で理解してもらいたい。」
と言われました。つまり、盛っている進学実績で
大阪学芸を評価しろとのことです。
「保護者から聞かれてもそのように答えますか？」
と聞いたところ、
「保護者はそんな質問しないし、
質問しても今の答えで納得してくれます。」
とのことでした。

この学校は前回のマスコミ報道から相変わらずのようです。
もし、この学校へ進学できるほどの
学力を持っているなら、同じレベルで
一人一人を大切に育ててくれる学校を
選んだ方が良いかと思います。