子供を傷つける親の不機嫌05

しばらく間が開いたのですが、前回の続きです。
本当は6と7は割愛する予定だったのですが、
知りたいというご要望をいただきましたので、
乗り越えるための承認する方法と併せて書かせていただきます。

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子どもを破壊する親のメッセージ
1.「存在するな。」
2.「あなたであるな。」
3.「近寄るな。」
4.「属するな」
5.「成長するな。」
6.「子供であるな。」
7.「正常であるな。」
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6の「子供であるな。」は前回の「成長するな。」と全く逆ですが、
「子供であるな。」と言われる子が、
「成長するな。」と言われていないかというと、
そういうわけではありません。

親は時に、こうした矛盾した期待をかけることがあります。
いつまでも子供でいて、支配の対象でいることをある時には期待し、
一方では早く成長することも期待する。

自分の気持ちに都合の良い存在になることを求めます。
自分が果たせなかった夢を
子供が果たしてくれることを期待する親が、
このメッセージをよく送ります。

親は子供をそのまま認めているわけではなく、
あくまでも競争に勝ち抜いている限りにおいて
認められるのです。

こうしたメッセージを受け取る子供たちは、
酷くなると登校拒否から始まって、
ステューデントアパシーと呼ばれる無気力状態になります。
これが進行すると鬱病のようになります。
子供が活躍することで生きようとする親は、
自分の心の葛藤を自分で解決できないから、
お前は犠牲になってくれと言っているのと同じなのです。

7の「正常であるな。」は、
ホントにそんなメッセージある?と思うかもしれません。
何か変わったことをすれば喜ばれる、
人と違った変なことをすると喜ばれる。
という人はこのメッセージを受け取っています。

劣等感の強い人は普通のことをしていては
勝負にならないので、変わったことをしようとします。
こういう親は、よく子供に普通と変わったことをさせて喜びます。

こういうメッセージを受け取っていると、
乗り越えられるようになるのでしょうか?
簡単に結論から言うと、
「信じて待つ」ということだと思います。

しかし、ただ、ひたすら我慢して待っているということではありません。
子供自身が自分で前向きな姿勢で
乗り越えようとするまで待つということです。

その前向きな姿勢になるまで、
励ましたり、叱ったりしなければいけません。
しかし、悪いところばかりを指摘して叱ってばかりだと、
子供は前向きになれないのです。
「褒める」と「叱る」をバランスよくしなければいけません。

この「褒める」と「叱る」は両方とも心理学では、
「承認する」ということになりますが、
叱るという承認は簡単にできても、
褒めるという承認がなかなか難しいと思います。

そして、一番まずいのは、叱るも褒めるもしない。
会話が減っていき、意思疎通がしにくくなることです。
叱られてばかりの子供は、
何をやっても叱られるのだと思ってしまいます。
「見て、英語90点取ったで!」
と点数を見せてくる子供に対して、
「えっ?10点も何を間違えたん?」
と言ってしまうことがあると思います。

子供は「10点間違えてしまった。」とは一言も言ってません。
90点取ったことを褒めてもらいたいのに、
10点間違えたことを叱られてしまいます。
また、「はぁ?数学は50点やんか!」
さらに「悪いところから目を背けるな。」
のようなことをつけたして叱られます。

こういうことが続くと、
何をやっても認めてもらえないと子供は諦めてしまいます。
そうすると、無気力になり、あまり親に
いろんなことを報告しなくなるでしょう。

親に隠れて、良くないことをするようになりますが、
実はこれは承認欲求のゆがんだ形です。
そのうち、本人は学校に行かなければいけないと
思っているのに、朝になると起き上がれないという
症状になったりするかもしれません(少し極端ですが実際にあった話です)。

ですので、褒めるときは、
精一杯褒めて認めてあげなければいけません。
褒めてもらえると、子供が自ら
「次はもっといい点とりたいな。」
「苦手な数学も頑張りたいな。」と
思うようになります。

以下では、子供たちの姿勢が前向きになるような
承認のしかたを紹介したいと思います。

1.結果承認・・・成果が出たことに対して承認する。
2.プロセス承認・・・結果にかかわらず過程を承認する。
3.行動承認・・・結果に関係しない行動も承認する。
4.意識承認・・・行動しようとしていることを承認する。
5.存在承認・・・その人の存在自身を承認する。

上から順番に承認しやすいものになります。
何でもかんでも子供の承認欲求を満たせばよいかといえば、
もちろんそんなことはありません。
あくまでも、最終目標は子供の自立です。
子供が自分で自分のことができて、
自分を成長させられるようになるために、
前向きに人生を歩んでもらえるようにするためです。

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