東京大学と灘中学校の入試問題比較
何度か、中学受験の算数の問題は、
国公立の2次の問題の焼き直しが
出題されるということを書きました。
今回は、東大と灘中の問題を2題ずつ
比較してみたいと思います。
どちらが東大で、どちらが灘中か
問題だけ見てわかるでしょうかうか?
実際に解いてみて当ててみてください。
※表現のしかたでバレないように
一部問題文を変更(分数のところを比にするなど)して
小問を削りました。
整数問題は、対策をしておけば
中学受験と大学受験のどちらでも
共通して得点源となります。
しかし、対策をしておかなければ
白紙となる可能性が高いです。
解法のパターンは限られており、
類題を20問ほど解けば、
ほぼすべての問題に対応できるのも
この単元の特徴でしょう。
整数問題が解けない受験生は、
四の五の言わずに類題を解きましょう。
平面図形は、中学受験において
「どこまで教えるか」というのが悩みの一つです。
メジャーなところで、メネラウスの定理は勿論、
ルートや三平方まで教えておくとスピードと
幅が広がりますが、その解法を使う生徒を
学校が求めているのかどうかは疑問です。
しかし、受験勉強のゴールが合格だとすると、
合格するために有利なことは
何でもやってあげなければいけないという使命もあります。
算数と数学の定義では、
前者が結果で後者が過程に重きを置くとされていますが、
できる限り結果ではなく、思考する過程を重視して
問題を解かせてあげたいという気持ちをもってしまうのは、
甘い考えなのでしょうか。。。
※答え※
・整数編の【1】が東大(2005年)、【2】が灘(2016年)です。
・平面図形編の【1】が灘(2016年)、【2】が東大(1961年)です。
解答が必要な方は、年度を入れて検索をかければ
すぐにヒットしますので、そちらでご確認下さい。
整数編=根気です。
東大の問題は途中で自分が迷子になってしまう可能性が高いです。
以前、東大を受けた生徒も、
「試験時間中に解けなかったけど
家に帰って風呂につかりながら考えてたら解けた。」
と言ってました。
繰り返しになりますが、迷子にならないように
事前にナイフやランプをかばんに詰め込んでおかなければなりません。
灘の問題はパズルの延長なので、
そこまで考える必要はないでしょう。
図形編=ひらめきです。
東大の問題は受験算数の定番のような問題なので、
簡単に解けると思います。
しかし、灘の問題は
定番のアクロバティック補助線問題なので
気づかなければほぼ無理です。
短い試験時間でここに気づくことができる受験生は何名いるのでしょうか。
どちらにも共通しますが、学校が求める能力は
発想力と緻密な計算力です。
将来、研究の世界に飛び込んだときに、
まだ解法のない難問に立ち向かうためには、
人と違う発想力とそれを裏付ける緻密な計算力が必要です。
東大と灘中、実際に毎回こんな問題ばかりではありませんが、
同じような問題が過去に出題されているということが
お判りいただけたかと思います。
中学受験でこれほどまでの能力を求めて、
更にその中で勝ち残った人が
難関大学の合格実績をあげています。
ところが、面白ことに
世界最高権威であるノーベル章受賞者の出身は、
日本では9割が地方の公立高校です。
これも興味深い点ですね。
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